ウクライナ料理は、古代から現代に至るまで、その土地の自然環境や文化、民族の交流などによって形成されてきました。今回の記事では、ウクライナ料理の歴史とその根源を探ります。
ウクライナの土地は、肥沃なチェルノーゼム(黒土)が広がるため、農業が盛んであり、穀物や野菜、果物が豊富に栽培されています。また、森林が多く、キノコや野生の果実も手に入れやすい環境にあります。ウクライナ料理の基本は、これらの農産物や森林資源を利用したシンプルながら栄養価の高い食材を使った料理です。
ウクライナ料理の歴史は古く、9世紀から10世紀にかけてのキエフ・ルーシ時代にまでさかのぼります。キエフ・ルーシ時代は、ウクライナをはじめとする東スラヴ諸国が統一されていた時代で、この頃からウクライナ料理の基礎が形成されました。また、キリスト教が導入されたことで、宗教上の食の規制(断食など)が料理にも影響を与えました。
その後、ウクライナはモンゴル帝国やリトアニア大公国、ポーランド王国、オーストリア=ハンガリー帝国、ロシア帝国などの支配下に入り、それぞれの国の食文化がウクライナ料理に取り入れられました。特に、トルコ料理やポーランド料理、ハンガリー料理、ロシア料理などの影響が大きいと言われています。
次回は、ウクライナ料理の特徴と代表的な料理についてご紹介します。
≪ボルシチ≫
【材料】(4人分)
- ビーツ:2個(中サイズ)
- ジャガイモ:2個(中サイズ)
- キャベツ:1/4個
- トマト:2個
- ニンジン:1本
- 玉ねぎ:1個
- にんにく:2かけ
- サラダ油:大さじ2
- 水:1.5リットル
- 牛肉または豚肉:300g
- 塩:適量
- 胡椒:適量
- ローリエ:2枚
- サワークリーム:適量
- パセリ:適量
【作り方】
- 牛肉または豚肉を一口大に切り、鍋に入れ、水1.5リットルを注ぎ、火にかける。沸騰したら弱火にし、アクを取り除きながら40分ほど煮る。
- ビーツ、ニンジン、玉ねぎを皮をむき、みじん切りにする。ジャガイモを皮をむき、一口大に切る。キャベツは千切りにする。
- フライパンにサラダ油を熱し、にんにくを炒める。香りが出てきたら、ビーツ、ニンジン、玉ねぎを加え、中火で炒める。
- トマトを湯むきし、みじん切りにして、炒めた野菜に加え、更に炒める。
- 野菜を煮た肉のスープに加え、ジャガイモとキャベツも加える。ローリエ、塩、胡椒を加えて味を整え、中火で20分ほど煮る。
- 火を止めて10分ほど蓋をして休ませる。
- スープを器に盛り、サワークリームを添えて、パセリを散らして出来上がり。
ウクライナのボルシチは、サワークリームを加えることで、まろやかでコクのある味わいになります。お好みで、パンやサラダと一緒に楽しんでください。また、ボルシチは翌日になると、味がより深まって美味しくなるため、作り置きしておくのもおすすめです。
ボルシチは非常にアレンジが効く料理でもあります。例えば、ベジタリアンの方にも楽しんでもらえるように、肉を使わず野菜だけで作ることもできます。また、スープの具材に他の野菜を加えたり、スパイスを加えることで、さらに風味を変えて楽しむことができます。
ウクライナ料理は、手軽に作れるものが多く、栄養価も高いため、日常の食卓に取り入れることがおすすめです。ボルシチをはじめとするウクライナ料理を楽しみながら、その国の歴史や文化に触れてみてください。
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